右も左もひまわり、ひまわり、ひまわり。360度見渡すかぎりのひまわり。

ここ、海外ではありません。宮崎県高鍋町、山の坂道を登っていくとお伽話のように突然現れるひまわり畑です。

その数なんと1,100万本！！

本数、作付面積ともに日本一。東京ドーム17個分。100万本単位で「日本最大級」と謳われることからも、このひまわり畑が規格外の広さであることがお分かりいただけるかと思います。

上を向くひまわりは、口蹄疫復興のシンボル

2010年、児湯郡で猛威をふるい未曾有の被害となった口蹄疫。高鍋町でも家族同様に育てていた牛豚たち34,559頭を一頭残らず殺処分するという悲しい結末を迎えることになりました。

しーんと静まり返ったまち。漂う自粛モード。町民みんなが疲弊し、先の見えない真っ暗なトンネルに迷い込んだ日々でした。

高鍋にもう一度活力を。いつも上を向いているひまわりのように、前向きで明るい笑顔を取り戻したい。

まず自分たち野菜農家が動き出そう。農家の挑戦が始まりました。

このひまわり畑は、口蹄疫復興のシンボルであり、町民の願いの姿です。

子どもを楽しませたいという想いではじまったひまわり

ひまわりが植えられている広大な敷地。実はキャベツ畑なんです。1,100万本のひまわり畑にはとても重要な役割があります。それは「キャベツの肥料」にすること。

高鍋町は、県内一のキャベツ産地。元々ひまわりは、キャベツの農閑期に地元の子どもたちに楽しんでもらうため植栽したものでした。

口蹄疫の影響で畑に牛や豚の肥料が使えなくなったことで、途方にくれていたとき、堆肥にもなって景観に寄与するひまわりを植えることを思いつきました。

「いつも上を向いて元気をくれるひまわり。美しく咲き誇る景色を見て、少しでもまちに元気になってほしい。」

その一心で、一粒一粒に願いを込め収穫後の畑に種をまきました。500万本からはじまったひまわりは、思いを同じくする農家さんたちの協力により、あっという間に1,100万本まで大きくなりました。

そして「きゃべつ畑のひまわり祭り」として町内外から10,000人以上が集まる、高鍋を代表する大イベントになっていったのです。

勇気と希望をくれたひまわり畑の存続に力を貸してください

今年の「きゃべつ畑のひまわり祭り」は、8月12日、13日に行われます。ひまわりが見頃を迎える2日間限定で、地場産品の出店や体験型アクティビティなど様々なイベントが行われます。

口蹄疫で傷ついた人々を元気にしたい、そして応援してくれた人たちに感謝の気持ちを伝えたい。

そんな思いから、農家さんたちが手作りで始め、人の支援の輪の広がりとともに大きくなっていったたひまわり祭り。現在は高鍋町もまちをあげて協力しています。

ひまわり祭りがはじまって8年目。まだまだ課題も山積みです。

広大なひまわりの作付面積の維持、会場設営やシャトルバスの運行、警備員の配置等の安全管理など、ひまわり祭りを運営していくための費用は農家にとって大きく、まだ野外で開催されるイベントのため天候に非常に左右されやすいことも運営していく上で大きな不安材料となっています。

たくさんの想いを乗せた「きゃべつ畑のひまわり祭り」をこれからも存続していくために、皆様のお力を貸していただけないでしょうか。いただいた寄附はイベント運営費やひまわりの種代、生産者支援などに活用していきます。

ひまわりが紡ぐ絆

ひまわり祭りの中心を担う、キャベツ農家の大脇さんはこのように語ります。

「高齢者から若い世代までがつながって1つのゴールに向かうことで、まちへの愛着が醸成されています。そうして出来上がるひまわり畑に町外からも多くの人が来てくれて、地域の盛り上がりに貢献できたら、こんなに嬉しいことはありません。

口蹄疫で被害にあった畜産農家さんたちも一緒になって積極的に手伝ってくれます。口蹄疫が起こるまでは、野菜農家と畜産農家は交流がなかったのですが、口蹄疫の苦難を皆で乗り越えたことによって、一緒に地域を盛り上げていけるようになりました。」

ひまわりが紡ぐ絆。それは高鍋の人々にとってかけがえのない財産になっています。

インスタグラムでも大人気！高鍋でしか見られない絶景

では、「きゃべつ畑のひまわり祭り」の様子をちょっと覗いてみましょう。

ここでしか見られない、壮大な景色。

子どもが楽しむ壮大なひまわり迷路もあります。

大好評の高見台。足元が金網でちょっとこわい！

農機などにも乗れちゃいます！

無料でひまわりを切って持ち帰ることもできます。

これほどの規模を維持するためには、多種多様な人々との協働、そしてたゆまぬ努力と情熱が必要です。地域みんなで支え合って、先人の想いも守りながら、まちをあげて保存活動に取り組んでいます。

大脇さん「私たち農家の力だけでは、このひまわり畑を継続することはできません。表には見えないたくさんの人たちの協力、そしてひまわりを見に来た方たちの笑顔に出会えるから、継続できています。」

ひまわりの生命力から学ぶこと

晴れが続けば土ぼこりが立ち、雨が降れば地面がびちゃびちゃ。自然相手に祭りを計画するので、思い通りにならないことばかりです。それでも自然は、私たちが思っている以上の奇跡を見せてくれることがあります。

たとえば2014年、台風で軒並み倒れてしまったひまわり。今年はダメだと諦めていたとき、祭りの直前に起き上がりました。何度でもひまわりの生命力に力をもらいます。

一つ一つのひまわりに表情がある

多くの人々の願いを乗せ、勇気と希望を与えたひまわりは、祭りのあとすぐにすき込み作業が行われます。ひまわり本来の役目を果たすため、土へと帰っていくのです。

そして、その想いも堆肥にして、秋には美しいキャベツが一面に広がります。

これだけの広大な面積で、収穫作業も全て手作業！手際よく刈り取っていき、目にも留まらぬスピードであっという間に山積みにしていき、「ひまわりキャベツ」という名で全国に旅立ちます。その後は、またひまわりの種まき。

こうして、高鍋の農業は生命の循環を続けています。

口蹄疫の発生から７年。今ではたくさんの人がひまわりを見に訪れてくれるようになりました。

キャベツ畑の危機、そして町民の苦難を1,100万本の黄色い花たちが救ってくれました。このご恩を皆さんに返していきたい。ひまわりに込めた想いを伝えていきたい。

ひまわり畑を存続させるために、皆様の力を貸していただけませんでしょうか。一緒にこのひまわりを守ってもらえないでしょうか。

皆さんの温かいご支援をお待ちしております。そして、ぜひ高鍋の「きゃべつ畑のひまわり祭り」へお越しください！

【高鍋町在住の皆様からのご寄附に関する注意事項】 高鍋町では、高鍋町在住の皆様からの寄附に関して、お返しの品の送付は対象外とさせて頂いております。予めご了承ください。