福井県勝山市は、恐竜博物館を有する日本屈指の恐竜のまち。その中でもひときわ目をひき、人気スポットとなっているのがホワイトザウルスの巨大モニュメントです。

縦6.8メートル、長さ17.5メートル、体重4.5トン。

白山連峰をバックに堂々とそびえ立つ大恐竜を、あなたはご覧になったことがありますか？

春は麦畑の茶色と白、夏は里山の緑と白、秋は稲穂の黄金色と白、冬は真っ白な雪と白。ホワイトザウルスの白は、四季折々に背景と溶け合って、素晴らしいコントラストを見せてくれます。

そんな、観光客や地元の人々に愛されてきたホワイトザウルスですが、2016年7月11日の朝、頭部がまさかの落下。北陸・東海地方では大きなニュースとして取り上げられました。

私たち勝山市は、この恐竜王国福井を象徴するモニュメントを復元し、県内外の皆様に喜んでいただける名所を再建したいと考えています。観光客が笑顔で記念写真を撮り、地元の子どもたちがはしゃいで走り回るこの場所を守るため、皆様のご理解とご寄附を心よりお願いいたします。

恐竜を愛してやまない子どもたちに再び笑顔を！

ホワイトザウルスは、2009年に福井県が和紙恐竜として制作、2012年に勝山市に譲渡されました。

以来、地区の人や子どもたちだけでなく、帰省した人や観光客が立ち寄って写真撮影をする人気スポットとして愛され続け、最近ではパワースポットとして女性からも注目を集めています。

ところが、頭部が突然の原因不明の落下。積雪もない真夏の朝、まさに晴天の霹靂の出来事でした。突然の非常事態に、地元住民は唖然とし、恐竜を愛してやまない地元の子どもたちは泣きじゃくりました。

7月30日には「ホワイトザウルスお別れ会」を開き、地元の園児が参加。歌を歌ったり花を手向けたりして、大好きなホワイトザウルスとお別れをしました。そして、私たちは必ず「ホワイトザウルス二世」を誕生させることを約束したのです。

卵の姿に2世誕生の想像を膨らませる

現在、ホワイトザウルスの跡地には、卵「ホワイトエッグ」が置かれています。そこには「再びホワイトザウルスが夕陽に吼える日その日まで見守っていてください」の看板文字が。2世のふ化を楽しみに、今しか見ることのできない限定スポットとして人気の名所になっています。

ホワイトザウルス設置場所である村岡（むろこ）地区の区長会長で、この土地を管理している今井克己さんは、次のように語ります。

「子どもたちは“いつあの卵がポコッと割れるの？”と聞いてきたりして、復元をとても楽しみにしていますし、一人ひとり、いつあの卵が割れるんだろう、あそこから手がにゅっと出てくるんだろう、と物語を描いているようです。多くの方に注目されていることを感じますし、次の展開も面白いと思います。」

今井さんは、ホワイトザウルスのライトアップをしたり、設置場所の芝を綺麗に管理して芝桜を植えたりと、全面的なお世話を行ってくださっています。

「ホワイトザウルスがきっかけになって、村岡地区の住民の結束が固くなり、まちづくりにつながっているということを感じます。子どもと高齢者が一緒に芝の草取りをしてくれたりと、世代間の交流も生まれているんです。

頭部落下がニュースになったとき、金沢や大阪の友人からも心配のメールがお悔やみのメールが来たりして、反響が大きいことに驚きました。ホワイトザウルスの注目度の高さを肌で実感し、地元としても当然復元して欲しいという想いが一致し、すぐに市役所に嘆願書を出しました」

今井さん「ホワイトザウルスを復元して、この広場でまちづくりとして地元が一つになれるもの、勝山を訪れた人に勝山の魅力を紹介できるようなイベントを行って、地区内外からも多くの人が集まる場所にしていきたいです。

ホワイトザウルスは、勝山に帰ってきた人にとってはお帰りなさいのシンボル、初めて来た人にとってはお出迎えのシンボルなんです」

ピンチはチャンス！頭部落下をまちおこしのきっかけに

勝山市観光政策課の山岸さんと深見さんは、ホワイトザウルスの復元についてこのように語ります。

山岸さん「僕らが夢描いていますのは、立派に復元したホワイトザウルスの前で観光客が写真を撮ったり、子どもさんがはしゃいで芝生の上を走りまわったりという、以前の風景です。恐竜博物館に訪れる方で、写真スポットとして立ち止まる方は年々増えていますから、少しでも皆さんが癒されたり、楽しんでいただけたらと思います。

県内外の皆さんがホワイトザウルスを愛してくださる姿を見て、私たちも何とかおもてなしができないかという気持ちに自然になりますし、今回頭部が落ちた事でますます愛着がわき、ここからまちおこしをして仕掛けていきたいという想いが強くなりました」

深見さん「頭部落下という衝撃の出来事でしたが、逆にホワイトザウルスがこんなに注目されていたり脚光を浴びていることを認識する良い機会ともなりました。今、良い形で復元することができたら、市民皆が恐竜のまちを意識するきっかけになるのではないかと思います。」

最後に

恐竜王国福井を代表するようなモニュメントでありながら、まちを見守ってくれて、お客様をお出迎えしお見送りし、地元の人にとっては懐かしい故郷の風景となる。

そんな、全国の恐竜ファンと地元の恐竜ファンの皆様の期待に応えられるような立派なホワイトザウルスを復元するために、何としても頑張りたいと思っております。

モニュメントの巨大さに加え、雪や雨にも耐えられる強い素材で補強し安全性を強化するためには、多くの費用が必要となります。あなたの協力が、この恐竜の肉となり血となり骨となります。皆様のご理解とご寄附、心よりお願い申し上げます。

起案者プロフィール

起案者: 勝山市

2007年アメリカの経済誌「フォーブス」で、「世界に9番目にクリーンなまち」に選ばれた勝山市は、日本の原風景が残る四季の彩りの感じられるまちです。

福井県の東北部に位置し、北は石川県に隣接しています。雄大な白山連峰をバックに、市の中心部には県下最大の河川である九頭竜川が悠々と流れています。

恐竜渓谷と呼ばれる勝山市は、国内有数の恐竜化石の産地です。日本で発掘される大部分の恐竜化石が勝山市から発見されています。また、白山信仰の拠点である国史跡白山平泉寺旧境内、西日本最大級のスキー場スキージャム勝山、近代化産業遺産に認定されたはたや記念館ゆめおーれ勝山などの魅力ある観光施設と、300年を超える勝山左義長まつりなど歴史、伝統、文化が根付いたまちです。

勝山市はこれまで、明治以来の地場産業である繊維産業を中心としたものづくりのまちでしたが、現在、魅力ある地域資源を活かした観光による新たなまちづくりを進めています。

こんな勝山市にぜひお越しください！